銀粉蝶(ぎんぷんちょう)
■1952年5月3日、栃木県出身
■青山学院女子短期大学在学中に、劇団「魔呵魔呵」でデビュー。1981年、夫の生田萬とともに劇団「ブリキの自発団」を結成。以来、舞台以外にも映画、テレビドラマなどに出演。
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<映画>
『人間交差点 雨』(平山秀幸、1993)
『ひまわり』(行定勲、2000)
『GO』(行定勲、2001)
『フィラメント』(辻仁成、2002)
『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』(堤幸彦、2002)
<ドラマ>
『谷口六三商店』『時をかける少女』『ぽっかぽか』『いいひと。』『WHO?』『しくじり鏡三郎』『プリズンホテル』『愛をください』『喪服のランデヴー』『もう一度キス』『たのしい幼稚園』『スタアの恋』『TRICK2』『僕の生きる道』『顔』『ぼくの魔法使い』『ビギナー』『タイガー&ドラゴン』『こちら本池上署』『幸せになりたい!』『どんまい!』
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不思議な芸名の持ち主である。
苗字と名前なのか、それとも「ぎんぷんちょう」で1つの名前なのか。
気になるところである。
そんなことはさておき。
銀粉蝶はとてもアクの強い、個性溢れる女優である。
顔の掘りが深く、インパクトが強いためか演じる役柄もアクが強い。
アングラ劇団出身だそうだ。そのため芝居の素質がしっかりしていて、抑揚の効いたメリハリある芝居をいつも見せてくれる。
演じる役柄というと、連続ドラマでいうところのゲスト出演的な扱いが多い。
そして、主人公とは真逆のベクトルに位置する役柄でいることが多い。
端的に言うと、悪役が多い。
深浦加奈子や高畑淳子と系列が似ている。
でも彼女のようなキャラクターで、そんな役柄をしっかりこなせる人がいるからこそ、ドラマの味わいがぐっと深くなるのである。
スイカに塩をかければ甘みが増すように、悪役のキャラクターが立っていればいるほど、ストーリーで伝えたいことが明確になるのだ。
そのあたりを吹っ切れた存在感でちゃんと演じきってくれている。
舞台での彼女を見たことが無いのが残念ではあるが、テレビドラマではしょっちゅう目にする。
ややデフォルメされた芝居が、どうもクセになる魅力を持っている。
宮藤官九郎や堤幸彦といった気鋭の作家の作品によく出演している。
彼女自身が普遍的な存在感を持っていることの証明であるだろうし、実際に実験的な作風の中で自分の与えられた役割以上のものを演じきり、作品をグッと深いものにしている。
濃くて人間の業の深さをしっかり演じきれる、貴重な名バイプレイヤーである。
昔はどんな女優だったんだろう?と気になる人である。